阿部泰隆の行政法学研究半世紀を記念し、2015年10月に設立された「弁護士法人大龍」の学術振興事業の一環として、阿部泰隆学術賞を設置し、行政法学と行政法実務の発展に顕著なる貢献をした研究者及び実務家を顕彰し、もって今後の行政法に関する学術と実務、政策の発展を奨励することといたします。
第一回阿部泰隆学術賞(2015年度)は、2015年10月16日に、常岡孝好(学習院大学)、福井秀夫(政策研究大学院大学)の両名に授与しました。来年度以降も原則として毎年一回顕彰を行うことを予定しています。受賞理由は別に掲載しています。
1 趣旨
公法学、特に行政法学(憲法はもちろん、環境法、租税法、社会保障法、まちづくり法、地方自治法等を含む)の発展に顕著に貢献した研究者・実務家を顕彰することにより、行政法学と行政法実務のさらなる発展を奨励しようとするものである。
2 審査基準
公法学の発展への「顕著な貢献」とは、特に従前の法理論、法システム、判例の基底にあるものには不備があるとの前提の下で、そのパラダイムの転換を求め、学術上、実務上斬新で有益なパラダイムの構築を行い、もって研究や法実務の発展に寄与したことをいう。
具体的には、次の事項を総合考慮して判断する。
○ 行政優位の法システム、解釈論を、官民対等の法システムへと、パラダイムの転換を図ったこと
○ 複雑多岐な行政の法システムを見通しよく整理して、その解釈と立法を合理的に行うための基礎を提供したこと
○ 行政法理論や行政法規の構造や思考様式を根本的に分析し、修正を求めたこと。たとえば、経済学、工学、社会学、哲学、政治学などの新視点を導入して、そのパラダイム転換を求めたこと
○ 混乱している行政法解釈論(学説、判例を含めて)を多くの分野で整理して、適切な解釈論を提示して、論争や判例の不統一に終止符を打ったこと
○ 地方自治については、団体自治、住民自治を豊かにするような法理論、法システムを提案したこと
○ 行政訴訟については、権利救済の実効性、両当事者の対等性、権利救済ルールの明確性の観点から、法理論と判例を整理し、広範な解釈論を一貫して提示して、かつ、立法への重要な参考となる業績を上げたこと
○ 環境法、租税法、社会保障法、都市法等と行政法との相互交流を図り、多岐にわたる法領域の充実に大きな貢献を果たしたこと
○ 法文の文理や体系からのみの法解釈ではなく、法社会学、組織の病理、人間の心理、制度の機能、法と経済学等の多角的視点から、新しい解釈論、さらには政策法学への道を示したこと
○ これらの視点から法制度設計に当たっての基礎理論を構築し、それを多くの分野で実践したこと
○ これらの視点から研究会組織の運営等、研究活動を企画し、リードして、成果を上げたこと
○ 立法活動で顕著な成果を上げたこと
○ 優れた判決を勝ち取る弁護活動、優れた判決の執筆をしたこと
3 授賞対象
授賞は、個々の論文や著書のみを基準とするものではなく、その研究者・実務家の全業績を基準とする。そこで、論文や著書は単一のもののみを対象とすることなく、一定のまとまった業績全体を総合評価する。研究者であって、実務家でもある者については、その両方の業績を評価する。
総合評価であるので、過去の近接した短い期間の業績だけでなく、必要に応じて長期に遡って評価する。年齢制限は設けない。
4 審査のしくみ・審査委員会
この賞の趣旨に賛同する複数の審査委員により阿部泰隆学術賞審査委員会を設置し、その合議に基づき審査する。
5 対象者
毎年若干名(該当なしもありうる)。
6 応募
自薦及び他薦を受け付ける。推薦理由を本賞の趣旨に添った形で記載することを要する。関連の業績(コピー可)を一部添付すること。
審査委員による推薦も授賞対象とする。
7 副賞賞金額(20万円)
8 事務局
654-0143 神戸市須磨区菅の台7丁目8番地の11
弁護士法人大龍内 阿部泰隆学術賞係
ホームページ http://www.eonet.ne.jp/~greatdragon/
連絡方法 メール:attorney-abe@law.email.ne.jp