弁護士活動方針
①  判例に沿った合理的な解決を

よくお話を伺い、事実をできるだけ客観的に把握して、判例の一般的な傾向の中で、依頼者の立場に立って、最適な解決策を探ります。判例を覆さなければならない場合、場合によっては外国法も参照して、学説判例を総動員して、工夫するよう努力します。

 

② 行政関連事件専念弁護士として“対:行政戦略法務” 

48年間にわたる研究及び7年間の実務の成果を踏まえ、普通の民事事件を扱うほか、「行政関連事件に特化した高水準の弁護士」を目指して、学界の最高水準の研究成果を弁護実務にも導入するように努力します。 

 行政法研究者というと、役所の味方と誤解されやすいですが、私はしがらみがないので、逆に、企業・国民側に立って、行政との関係で必要な法的処理を行います。「違法行政と闘う」という看板(このHP冒頭)を立てている弁護士は寡聞にして知らないので、お役に立てるつもりです(「対:行政戦略法務」『ビジネス法務』誌に2005年9月号より連載、『対行政の企業法務戦略』中央経済社)。

 

 

③ 事案の当初からの工夫   
 弁護士は一般に紛争が生じてから関与を求められますが、これでは怪我してからお医者さんを訪ねるのと同じく、完治は困難です。事前予防が大事です。たとえば、開発業者が都計法の開発許可を求めると、自治体は行政指導と称して、押さえ込みます。里道・水路を使わせないといって、権力濫用的に拒否します。農地転用に際しても、隣人の同意など、法律を逸脱した細かい内部規制と行政指導があります。社会福祉法人が特養を作るとき、地元の調整ができていないとして、落とされることがありますが、これは違法である上、厚生労働省の方針にも反します。

  土地収用にかかるときも、早い段階で相談があれば、補償金が高くなるように、営業利益を高くできるように、節税工作をやめるなど種々の工夫ができます。 

 住民の同意がないとして、許可申請をさせず、どうすれば許可になるのか、いっさい教えない役所がありました。

  聴聞の後でよりもその前に、さらに行政の調査が入ったとき、調査の恐れがあるときなど、早いほうがいいです。 

 役所の指導にうっかり応じて、言質を取られると不利になります。

  最初の段階できちんと法的対応をせずに、あとから争っても、勝ち目は決して高くありません。早い段階で、法的に武装して、戦略を練り、当局と交渉すれば、許可を獲得できる、不利益処分を回避できるなどの可能性は高くなります。

 不利益処分を受けるときも、聴聞で当局に質問して、処分の根拠がないことを分からせることが肝心です。それは処分を受けて訴訟を起こす場合にも役立つはずです。        

 民事契約でも、たとえば、借家契約では、定期借家契約と従来型のいずれとするか、自然減耗費を控除するかなど、後日、トラブルが生じないように、しかし、有利な契約書の作成を行います(私は定期借家法を作るとき、多くの法律家の抵抗を排除して努力した数少ない法律家の一人です。『定期借家の賢い貸し方・借り方』)。

  借家が競売されそうだというので、敷金が返金されない心配をして、敷金分家賃を滞納して、遅れて払っていた借家人がいましたが、それでは敷金の意味がないので、そのような素人判断はけがのもと。 

 

④ 法的なリスクの軽減 

 正しくても、勝てるかどうかは不明確で、勝てるという保障はできませんが、法的なリスクをできるだけ軽減し、不利な結果をできるだけ回避できるようなリスクマネジメントを行います。また、普段から法令コンプライアンス体制を構築して、不測の事態の発生をできるだけ防止します。 

 

⑤ 専門的な弁護士・研究者との協力 

 また、難しい問題については、独走せずに、他の専門的な弁護士と共同するか、助言を求めながら、判断します。 

 弁護士の先生が受任した事件について協力することも十分可能です。

 行政書士の先生方が関与している案件がもめたときは協力します。 

 さらに、法学研究者には知人が多いので、私だけの理論では難しい場合、専門研究者の協力を求めます。 

 

 『コラム 依頼する医者は?』

 みなさん、風邪を引いたとき、大病院に行きますか、ガンに罹ったとき医師会長を訪ねますか。これは間違いですね。風邪位なら近所のかかりつけの内科に、ガンなら、ガン専門医に行きます。ガンの中でも肺ガンなら肺ガンの専門家を、胃ガンなら胃ガンの専門家を探します。 

 脳梗塞、心筋梗塞で倒れたときは、専門病院に担ぎ込まれるか、その辺の病院に運ばれるかが、生死の境目になることが少なくありません。 

 ところが、弁護士に依頼するときはこの当たり前のことをしないのが普通です。日頃縁がある弁護士、誰かの紹介の弁護士の所に行くのが普通です。弁護士会長経験者は偉いと思われていす。  

 しかし、弁護士の仕事も大変な専門分化です。普通の弁護士は、普通の事件を扱っています。弁護士会長は弁護士としての専門性とは関係がありません。普通の弁護士は特殊な難しい事件は余りやっていないので、依頼を受けると、経験不足で、手探りでやることになります。町医者が肺ガンの治療をしているようなことがしばしば見られます。専門弁護士も、全ての専門に通じているのではなく、それぞれの専門に通じています。 

 たとえば、特許事件は特許専門弁護士に、医療過誤事件はその専門弁護士を訪ねた方が良いと私は思います。 

 弁護士は、得意領域をもっと表示すべきです。何でもできるという表示をしているのは本当だろうか。弁護士なら誰でも何でも分かるというのは、正しくないと感じます。 

 大会社が依頼するときは,大法律事務所に依頼すれば,負けても自分の責任ではなく、小さい事務所に依頼すると,負けると責任を問われると思って、大事務所に依頼するサラリーマン法務担当者が多いようですが,大事務所でも,実際に担当するのは、有能な大先生とは限りません。経験不足なイソ弁丸投げの先生も時折見かけます。逆に、偉くなりすぎて、最近の実務や判例に疎くなっている先生もいます。また、一人で済むのに複数で担当することが少なくなく、タイムチャージが想定外に高額になることがあります。よく話を聞いて、吟味して、本当に信頼のおける先生だと分かってから依頼することが肝心です。